ブログ

お弁当

タグ:

向田邦子という作家がいた。

「いた」というのはもう他界されているからである。

「日本語を忘れないようにと」先生に向田邦子の本をお借りした。

お借りした本はエッセイである。私はこの年になってからエッセイというものが好きになった。

物語と違って普段の生活からふと感じることが書かれているからで、自分と同じ目線に立ちながらも、よく細々としたことに目を向けているなと感心するものである。

本の冒頭は「お弁当」というテーマからはじまる。こんな文があった。

「ときどきお弁当を持ってこない子もいた。忘れた、とおなかが痛い、とふたつの理由を繰り返して、その時間は教室の外へ出ていた。・・・・こういう子に対して、まわりの子も先生も、自分の分を半分分けてやろうとか、そんなことは誰もしなかった。薄情なようだが、今にして思えば、やはり正しかったような気がする。ひとに恵まれて肩身のせまい思いをするなら、私だって運動場でボールを蹴っていたほうがいい。」

ああ、わかる。という気持ちになった。

以前トルコ人の友達に「親切を受け取らないのは失礼だよ。」と言われた事がある。私が断ったのは親切ではなく、自分もトルコで自立していたいという自尊心からであった。いつまでも、人に頼って肩身のせまい思いをしたくなかったからである。


お弁当 のコメント

コメントなし, 最初の書き込み! “お弁当”

返信する

コメントを投稿するにはログインしてください。